駅にエレベーターやホームドアが設置されれば利用者の恩恵は大きい。費用負担に関する幅広い理解を得て、安全で利便性の高い駅を増やしていくことが大切だ。

政府は、鉄道事業法に基づき、バリアフリーのための施設を整備する費用を運賃に上乗せできる制度を設けた。2023年春にも新料金が導入される見通しだ。

エレベーターやエスカレーター、ホームドア、点字ブロックなどが対象となる。

これらの施設には、国や自治体が補助金を出しているが、多額の費用がかかるため、整備は遅れている。人口減少やコロナ禍で乗客が減る中、鉄道事業者の経営も厳しく、費用をどう工面するかが課題となっていた。

乗客にも一定の負担をしてもらうことで財源を確保し、施設を増やすという狙いは理解できる。

全国に約9500ある駅のうち、エレベーターなどで段差対策を講じているのは5割にとどまっている。1日2000人以上が利用する駅でも約600駅は設置されていない。政府は、25年度までの整備を目指している。

ホームドアについても、現在の1・5倍にあたる3000か所の乗り場に導入するという目標を掲げている。

目の不自由な人が駅のホームから転落する事故は相次いでおり、ホームドアの設置は急務だ。

政府の調査によると、ホームからの転落事故は昨年度1370件起きた。視覚障害者に限らず、飲酒や体調不良を原因とする転落が多いという。駅施設の利便性や安全性を高めることは、多くの利用者にとってメリットがあろう。

国土交通省は、東京、大阪、名古屋の3大都市圏で、JRと大手私鉄が新制度を利用することを想定しているという。整備が遅れている地方に国の補助金を手厚く配分することで、日本全体の底上げを図る狙いとみられる。

上乗せされる料金は、乗車1回につき10円以下と見込まれるという。家計への影響は無視できまい。通学の定期代には上乗せしないなどの配慮が望ましい。

国交省は、鉄道事業者に対し、施設の整備計画や進捗(しんちょく)状況の公表を求める方針だ。財源が適切に使われているかどうか、厳しくチェックしなければならない。

近年、ホームなどに職員が少ない駅が目立つのは気がかりだ。事故などの際に迅速に対応できるよう、鉄道事業者は知恵を絞ってもらいたい。

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鉄道料金新制度 安全で便利な駅を増やしたい

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