幕張メッセで開催された「第7回 鉄道技術展 2021」に近畿車輛が出展。車載式自動スロープ装置などの車載製品や、VRを用いたデジタルモックアップでの設計検証などを紹介した。VRの設計検証では体験ブースが設置され、視覚に訴える展示が行われていた。

近畿車輛のブースでは、製造実績として近鉄「ひのとり」(80000系)などの模型が展示された

近畿車輛は大阪府東大阪市に本社を置く鉄道車両メーカー。近畿日本鉄道の特急車両「ひのとり」(80000系)、JR西日本の北陸新幹線車両W7系をはじめ、国内外に鉄道車両を納品している。鉄道技術展では、数多くの製品とともに「近年の製造実績や当社の技術力を紹介する展示」を行った。

車載製品では、「スライド開閉式中央天井」「薄型リンク式窓バランサー」「車載式自動スロープ装置」の3製品を紹介していた。

パネル展示で車載製品を紹介
図を用いて、車内のどこで近畿車輛の製品が使用されているか、わかりやすく説明している

「スライド開閉式中央天井」は天井内機器の点検整備容易化を目的に開発を進めており、中吊り広告や整風板の着脱作業をせずにロールフィルターなどの点検が可能になる。送風口の形状を自由にアレンジできるため、車内空間の演出要素として活用できる。

「薄型リンク式窓バランサー」は室内空間の拡大を目的に開発された。窓を上下させる動きを支えるリンク機構を改善し、従来品から約20%の薄型化を実現。とくに在来線で広がる有料着席サービス車両のシート設置に余裕を持たせ、室内空間を快適にすることに寄与するという。

「車載式自動スロープ装置」は車両内に設置するスロープ装置で、介助に必要な時間を短縮でき、駅業務の軽減を期待できる。新造車両はもちろん、既存車両にも対応できるように、簡易な取付けを検討しているとのこと。

東武鉄道の車両70000型、東京メトロ日比谷線の車両13000系の模型も展示

近畿車輛のブースでは、パネル展示だけでなく、同社が製造した車両の模型展示も多く行われた。近鉄「ひのとり」をはじめ、東武鉄道の70000型、東京メトロ日比谷線の13000系などが展示され、来場者の注目の的となっていた。

視覚に訴える独自展示は模型の展示だけではない。現在、近畿車輛が注力しているのが、VR(仮想現実)を用いたデジタルモックアップでの設計検証だ。

ブース入口では、近畿車輛の手がけた歴代車両がイラストに
VR装置のサンプル。設計検証時に利用することで、図面からは見えない細かい部分の調整が可能になる

これまで、鉄道車両の設計時は図面を用い、鉄道会社の担当者と打ち合わせを行ってきた。打ち合わせを踏まえて図面をCG化していたが、立体的に見づらいことや微妙な配色の違いなどが課題になっていたという。設計検証時にVRを用いることで、車内デザインが立体的に見えるほか、歩いた際の距離感や客室内での自動ドアの開閉スピードも体感できる。より細かい調整を行いやすくなり、鉄道会社が求める理想の車両作りにも寄与しているだろう。

VR装置体験コーナーでは、京都市営地下鉄烏丸線の新型車両20系と近鉄「ひのとり」のVR映像を体験できた。烏丸線20系の映像では、運転台を360度見渡すことができ、運転機器類との距離感を確認するのにVRが役立ったという。

近鉄「ひのとり」の映像では、プレミアム車両やレギュラー車両の客室だけでなく、車端部のカフェスポットやベンチスペースの映像もあった。こちらも同じく360度見渡すことができ、とくに運転台の映像は「ひのとり」の窓の大きさを感じやすい内容だった。

近畿車輛の担当者によれば、展示ブースのデザインもVRを活用しており、VR体験コーナーの机の高さまでこだわって製作したとのことだった。時代の最先端技術を積極的に導入し、さらなる高みをめざす近畿車輛の姿勢が余すところなく伝わった展示であったと言えるだろう。

#鉄道技術 #鉄道車両メーカー #電車


鉄道技術展2021 – 近畿車輛、車載製品やVR用いた設計検証など紹介

関連記事

東京メトロ有楽町線・南北線、延伸に着手へ – 国と都が予算に計上

写真で振り返る懐かしの鉄道車両〜弘南鉄道大鰐線 クハ1266形、クハ16形、6000系〜【東北編013】

14日発射の北朝鮮ミサイルは2発 21年9月と同型か 防衛省

沿岸部の鉄道で運休など相次ぐ 津波警報・注意報の影響

阪急電鉄の制服着用「コウペンちゃん号」のぬいぐるみを受注販売へ

相鉄「そうにゃん入園・入学準備グッズ」全5種類、キャンペーンも