幕張メッセで11月24~26日に開催された「第7回 鉄道技術展2021」にJR西日本が出展し、GIS(地理情報システム)と連携した電子線路平面図システムや、BRT(バス高速輸送システム)の実証実験の進捗など紹介した。グループ会社全体で活発な連携を行っている。

JR西日本はグループ全体で出展。鉄道技術展への出展は今回が初

JR西日本は2018(平成30)年に「技術ビジョン」を策定。JR西日本グループとしてありたい姿を実現すべく、技術面から模索していく姿を示した内容だった。おおむね20年後のありたい姿として、「さらなる安全と安定輸送の追求」「魅力的なエリア創出の一翼を担う鉄道・交通サービスの提供」「持続可能な鉄道・交通システムの構築」の3つを挙げ、実現に向けて技術開発を行っている。

今回初出展となった鉄道技術展でも、これらのビジョンに沿った技術開発を紹介していた。中でもGISを用いた電子線路平面図システムについて、JR西日本の担当者が強くアピールしていた。

パネル展示をメインに、担当社員が詳細の説明を行った

GISは「Geographic Information System」の略。日本語では「地理情報システム」とも呼ばれる。これまで、多くの鉄道事業者は線路の地図情報を紙媒体で管理していた。しかし紙での管理は最新の情報の把握が困難な上に、責任の所在がわかりにくいという問題点があった。

そこでJR西日本は、自社が保有する線路の地理情報を共有しやすくするシステムを独自に開発。JR西日本管内の線路(約5,000km)を電子データ化し、グループ各社で共有を開始した。特許も取得済みである。現在、社内およびグループ会社内の約1万4,000端末で稼働しており、外部への工事委託などの際にも役立つという。

たとえば、GISを導入した端末で2つの信号を選択すると、その信号間の線路距離が自動的に算出できる。保守点検や有事の際に場所の特定が容易になるため、作業の効率化にも寄与するだろう。

他にも鉄道技術展でアピールしていたものがある。そのひとつがBRT(バス高速輸送システム)の推進。JR西日本はソフトバンクと連携し、おもに都市部での実現を想定したBRTを模索している。持続可能な地域交通の実現に向けて、次世代モビリティサービスであるBRTの実現をめざす。

おもに都市部での走行を想定し、今年10月からBRTによる自動運転の実証実験を開始している

すでに滋賀県内に試験コースを設置し、専用バスを使用して自動運転の試験を行っている。連節バス型の試験車両も導入しており、近未来都市の姿を想起させる。

試験コースでは、隊列走行の実現や自己位置推定技術など8項目について将来的な導入をめざした検証を行い、2022年春頃に3種類の自動運転車両を用いた隊列走行の試験を開始する。同年夏頃には、乗降場への正着制御や車両の間隔コントロールなどの具体的なテストを行っていく。2023年に専用テストコースでの自動運転や隊列走行に関する技術を確立させる予定としている。

BRTの技術確立と導入により、鉄道をはじめとする他の交通機関との連携をスムーズにする。その他にも、バス運転手の人手不足を解決できるなど、さまざまなメリットが考えられる。

JR西日本の技術に対し、他の鉄道事業者も大いに関心を持っている様子で、ブースはずっと混雑していた。とくにGIS関連は特許を取得していることもあり、他事業者が関心を持つのも頷ける。今後のJR西日本に注目していきたい。

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鉄道技術展2021 – JR西日本、GIS連携の電子線路平面図システムなど

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