「どけー!」「ふざけんじゃねえよ」「何やってんだよ」。8月に江ノ島電鉄で、電車の車両を撮影することを趣味とするファン、いわゆる「撮り鉄」が、フレームの中に入ってきた一般の通行人にこれでもかと罵声を浴びせかける模様を撮影した動画が拡散。その過熱ぶりとマナーの悪さが指摘されたが、今度は共産党の山添拓・参院議員が、昨年11月に秩父鉄道の車両を撮影するために線路内に無断で侵入、今年9月になって鉄道営業法違反容疑で埼玉県警に書類送検されていたことが話題となった。

ところがアメリカの場合、大統領が「乗り鉄」なことから社会が変わろうとしている。かつてハワイではオアフ島でサトウキビなどを運ぶために鉄道が通っていたが、1947年に廃止。それが来年、75年ぶりにまずは15キロで開業。2031年には大型ショッピングセンターから空港、スタジアムなどの観光スポットを経由する全長35キロ21駅が全線開通する予定で、現在、建設が行われている。

「ハワイでの鉄道復活計画は2000年代からあって10年前に起工式がおこなわれましたが、現在のバイデン政権になって鉄道建設は全国的に追い風となっています。というのも、バイデンは上院議員時代に地元のデラウェア州からワシントンまで毎日電車で通勤していたほどの乗り鉄で、愛称も『アムトラック・ジョー』(アムトラック=全米鉄道旅客公社)とまで呼ばれているくらいだからです」(週刊誌記者)

もちろん大統領が乗り鉄だからといってそう易々と鉄道が建設できるわけはなく、ちゃんとした土台がある。その1つはアメリカの自動車文化だ。ハウイはアメリカの中でも交通渋滞が激しいことで有名で、空港からホノルル中心部までの道のりは、わずか10キロなのにもかかわらず混雑時だと45分はかかる。それが鉄道だとわずか15分ほどに短縮される。

そしてもう1つが世界的なカーボンニュートラルの実現。特にハワイは自然豊かな観光でもつ。だから環境意識が高く、2045年には電力の100%を再生可能エネルギーで賄うよう州法で数値目標が定められているほどだ。鉄道利用者が増えれば道の混雑も緩和され、排気ガスの排出も減って一挙両得というわけだ。

そして鉄道建設などの国内インフラ投資は、バイデンが大統領選に臨んだ際の目玉公約の1つでもあった。

「バイデンはポストコロナの経済政策、経済構造の転換などの必要性から日本円で総額110兆円(1兆ドル)のインフラ投資計画法案を提出、上院まで可決しています。その中の1つが鉄道建設で、これには7兆円の予算が割かれています。そもそも副大統領として仕えていたオバマ大統領時代から鉄道政策には熱心で、09年に全米を高速鉄道ネットワークで結ぶ計画を立てて、約3800億円の補助金を出していたほどです」(前出・記者)

鉄オタでモデルの #市川紗椰 によれば、アメリカではもっぱら貨物列車が人気なのだという。日本、ヨーロッパ、中国にある高速鉄道も、アメリカではワシントンD.C.とニューヨークを結ぶアセラ・エクスプレス(最高速度240㎞)のみ。アメリカは国土の広さに比して人口が密集していないから向かないというのがその理由という。一方、日本では撮り鉄のほかに時刻表を読むのが好きな「読み鉄」、列車の走る音を録音する「音鉄」、列車のデザインを愛する「車両鉄」…と様々な「鉄」が存在するが、鉄っちゃんの存在はその国の文化をも表すようだ。

(猫間滋)

#ハワイ #バイデン #大統領 #高速鉄道


ハワイに75年ぶり鉄道開通!"乗り鉄″バイデン大統領が目指す高速鉄道網

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