秋田内陸線の看板車両「AN−8904」のさよなら運転が12日、鷹巣—角館間で行われた。老朽化による引退で、この日は「急行もりよし」1〜3号として運行。多くの鉄道ファンらが30年あまり活躍した車両との別れを惜しんだ。

秋田内陸縦貫鉄道によると、「AN−8904」を含むAN−8900形は1989年の内陸線全線開業時に、AN−8901からAN−8905の計5両が導入された。主に「急行もりよし」として活躍。窓が大きく、サロン席も備え、貸し切り列車として、JR奥羽線や羽越線にも乗り入れた。

この日、「AN−8905」を改良した観光車両「笑 EMI」と連結した8904が、急行もりよし1号として阿仁合駅(北秋田市)のホームに姿を見せると、待ち構えていた鉄道ファンが最後の雄姿を撮影していた。

車両には復刻された昔の山型のヘッドマークを掲出し、運転士は車両がデビューした当時のエンジ色の制服を着用した。コロナ禍のため、イベントはなかったが、乗客らは広い車窓からの眺めを満喫し、思い出話に花を咲かせながら乗車を楽しんでいた。

8901から8903はすでに引退しており、今回のさよなら運転によってAN−8900形で運行を続けるのは、「笑 EMI」の8905だけとなる。運転士の九嶋和(わたる)さん(49)は「『思い出をありがとう』という気持ちでいっぱいです」と感慨深げだった。【田村彦志】

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思い出をありがとう 秋田内陸線の看板車両「AN-8904」引退

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