JR東日本の子会社でベンチャーキャピタルのJR東日本スタートアップは6日、現場で働く人向けの音声ソリューションを手がけるBONX(ボンクス)に出資すると発表した。グロービス・キャピタル・パートナーズや森トラストなども出資しており、出資総額は約7億円。JR東日本スタートアップは今後BONXと連携を強化し、鉄道メンテナンス現場のDXを加速させていくという。

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BONXの音声ソリューションは、スマートフォン専用アプリ「BONX WORK」とワイヤレスイヤホン「BONX Grip」を用い、チームで会話ができるツール。トークルームのメンバー全員、または特定人物との会話が可能で、個別会話の最中にルーム内の会話を聞くこともできる。イヤホンのボタン操作で会話の開始・音量調整・終了・話す先の切り替えなどができ、端末を手に持たずにハンズフリー操作ができるのが特徴だ。

鉄道メンテナンス現場では、作業や移動をしながら、チーム全員に情報共有する、責任者へ報告する、別のチームへ確認する、といった連絡が短時間で複数回発生する。そこでJR東日本スタートアップはアプリとイヤホンで手軽に会話ができるBONX WORKに着目。2020年以降、BONXと共同で端末に触れずに操作ができる前述のハンズフリー機能の開発を行ってきた。

共同開発のきっかけは「JR東日本スタートアッププログラム2020」だ。同プログラムは、JR東日本スタートアップが2017年から開始した、ベンチャー企業やアイディア保持者とビジネス共創を狙う取組み。BONXは2020年度の採択企業(応募計242件で18件採択)に選ばれている。前述のハンズフリー機能はプログラムの一環で共同開発・実証実験を行い、2021年3月中旬から一般提供も開始している。

JR東日本スタートアップの出資の背景には、「ノンデスクワーカー」のアナログな働き方への課題感がある。ノンデスクワーカーはIT・金融業界などのデスクワーカーおよび管理職・事務職を除く、現場で働く人を差す。JR東日本グループは、鉄道現場以外にもホテル・商業施設・病院などの事業を展開しており、多くのノンデスクワーカーを抱えている。環境変化でデスクワーカーのDXは進んだが、ノンデスクワーカーはアナログな働き方が主流なため、現場のDXが必要と考えている。

BONXによると、日本の労働人口約6,500万人のうちノンデスクワーカーは約4,000万人で、約6割を占める(2015年国勢調査および2020年8月労働力調査を基に同社推計)。また状況に応じて対応が異なる現場のコミュ二ケーションは、電話やトランシーバーなど声によるものが主流で、作業を中断する端末での対応は現場仕事との相性が悪いという。

JR東日本スタートアップは今後、BONX WORKで鉄道メンテナンス現場のDXを加速させると共に、グループのノンデスクワーカーの働き方改革・DXを支援していく予定。さらにその先に、現場DXソリューションの他業界への展開を目指すという。

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JR東、BONXへ出資 鉄道メンテナンス現場のDXを加速へ

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