全線開通に至らなかった「幻の鉄道」の遺構の活用策を探る「全国未成線サミット」(実行委員会主催)が11月13、14両日、島根県浜田市で開かれる。未成線は全国約80カ所に残るとされ、浜田と広島を結ぶため戦前と戦後に2度着工されながら完成しなかった「広浜(こうひん)鉄道今福線」もその一つ。サミットでは全国の未成線活用団体が交流し、観光振興策を話し合う。実行委は参加者を募集中だ。

今福線は1933年に旧国鉄山陰線の下府(しもこう)駅から石見今福駅までの約15キロで着工。ほぼ完成したが日中戦争に伴い40年に中止された。戦後は浜田駅を起点にした別路線が計画され、70年に約12キロで着工したものの国鉄の経営難で80年に再び中止された。

新旧両方の未成線にはアーチ橋やトンネルなどが残る。シンボル的存在の「4連アーチ橋」をはじめとする「今福線コンクリートアーチ橋群」は2008年に土木学会が選奨土木遺産に認定。近年は新たな観光資源として期待が高まっている。

サミットは17年3月に奈良県五條市、18年10月に福岡県赤村で開かれ、今回が3回目。当初は20年10月に開かれる予定だったが、新型コロナ禍の影響で延期されていた。

初日の13日は石央(せきおう)文化ホール(浜田市黒川町)で開催。五新線(五條市)▽油須原線(赤村)▽佐久間線(浜松市)▽岩日北線(山口県岩国市)▽高千穂線(宮崎県高千穂町)などの未成線がある地域のほか、廃線になったJR三江線(島根県、広島県)の跡地で活性化に取り組むNPO法人などが活動事例を発表する予定で、その後、識者らがパネル討論を行う。定員は先着400人、参加無料。

翌14日は地元ガイドが案内する今福線遺構の見学会。JR浜田駅からバスで巡り、見どころでは約2キロ歩く。2班に分かれ、定員各40人(先着順)。参加費3000円。

初日は新型コロナの感染拡大に備え、ユーチューブでのライブ配信も予定している。実行委の事務局を務める浜田市観光交流課は「鉄道遺構に新たな光を当て、地域活性化に取り組む全国の団体の輪がサミットを通して広がれば」と話す。

参加募集の対象は全国の鉄道ファンや観光関係者、浜田市民など。所定の申込用紙をファクス(0855・22・7168)かメール(sekiwo@sekiwo-tourist.co.jp)で送る。10月8日必着。問い合わせ先は実行委事務局(0855・25・9531)。【萱原健一】

#サミット #島根 #着工


全国の「幻の鉄道」遺構活用策探るサミット、島根で11月開催へ

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