西日本を中心に広い範囲で続いた豪雨の影響で、各地で土砂災害が相次いでいる。その被害大きく受けるものの1つが鉄道だ。

京都を走る叡山電鉄は昨年夏の土砂災害により、一部区間の不通が続いていたが、発生から1年以上が経った2021年9月18日から全線での運転を再開する。

1年以上も土砂災害により運転見合わせ

叡山電鉄では20年7月上旬に降り注いだ雨により、鞍馬線貴船口駅付近で土砂崩れが発生。それに伴い、鞍馬線市原〜鞍馬間が運休となった。

今回、鉄道復旧を担当した叡山電鉄と治山事業を行っている京都市が協議し、工事を行いながら安全に運行できることを確認。9月18日に鞍馬線市原〜鞍馬間の運転を再開することになった。叡山電鉄の公式サイトで伝えられた。

9月18日以降のダイヤは後日、発表される予定だ。なお8月27日現在、市原〜鞍馬間は京都バス(路線バス)による代替輸送が行われている。

「土砂災害により1年以上にわたり鉄道路線が不通になる」。

これだけを見ると「地方ローカル線かな」と思うかもしれない。しかし叡山電鉄は地方ローカル線というよりは、都市近郊路線という表現がしっくりくる路線だ。

山地が多い関西地形の影響

叡山電鉄は京阪電鉄の終着駅である出町柳駅を起点とする。出町柳駅は京都市中心部の北東に位置し、周辺には京都大学がある。そのため駅周辺は賑わっており、あまりローカル線の雰囲気は感じられない。

途中の宝ヶ池駅で八瀬比叡山口方面と鞍馬方面に分岐する。土砂崩れが発生した貴船口駅周辺には人家は少ないものの、観光地、貴船の玄関口となる。

確かに京都市中心部ではないが、京都市近郊にあるアクセスしやすい観光地といった感じだ。何とか紅葉シーズン前に復旧したことにより、観光客を意識した車両を持つ叡山電鉄としてはホッとしたのが本音ではないだろうか。

関西は関東と比べると平野が少なく、山地が多い。

そのため叡山電鉄に限らず、能勢電鉄や神戸電鉄など山地を走る都市近郊鉄道が存在する。21年8月中旬には大雨の影響により京阪京津線で線路浸水や土砂等の流入が発生し、数日にわたって運転を見合わせた。

もちろん土砂災害による長期間にわたる不通は起きないことがベストだが、何が起きるかわからない世の中。鉄道事業者だけでなく、利用者も「万が一」のことは考えた方が良いのだろう。

(フリーライター 新田浩之)

#運休


「土砂崩れで運休」都市近郊でなぜ多発? 豪雨の影響を受けやすい、関西特有の「鉄道事情」

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