都市再生機構(UR都市機構)と阪神電気鉄道は10日、UR都市機構武庫川団地内にて、「地域のコミュニティスペース『赤胴車』」のオープニングセレモニーを開催した。武庫川線で活躍した「赤胴車」7890号がお披露目され、多くの人がセレモニーを見守った。

武庫川団地内に設置された「赤胴車」7890号

武庫川団地は兵庫県西宮市にあり、阪神武庫川線の武庫川団地前駅南側に広がる西日本最大級の団地。UR都市機構のグループ会社であるURコミュニティが管理を担い、世帯数は5,000を超える。2020年3月、沿線地域の交流や活性化の促進をめざし、UR都市機構と阪神電気鉄道が包括連携協定を締結。その一環として、武庫川線で長年活躍した「赤胴車」1両を武庫川団地内に設置し、地域コミュニティスペースとして活用することになった。

オープニングセレモニーの中で、UR都市機構理事・西日本支社長の田中伸和氏は、「赤胴車」7890号の経歴を紹介した上で、「集会所ひとつくらいの大きさとなり、コミュニティ活動の推進のために使っていただければ」と述べた。来賓として参加した西宮市長の石井登志郎氏は、「赤胴車」を「武庫川団地が元気にやっていく中での象徴」と定義し、UR都市機構と阪神電気鉄道に西宮市を加えた包括連携協定締結の可能性に言及した。



オープニングセレモニーでは、出席者の挨拶に続いてテープカットが行われた

武庫川団地に来た「赤胴車」7890号は、1974(昭和49)年に3901形3904号として誕生。近鉄奈良線との相互直通運転を念頭に製造され、当初は西大阪線(現・阪神なんば線)などで活躍した。1986(昭和61)年に武庫川線へ転属となり、その際にモーターとパンタグラフの設置をはじめとする大改造を受けた。同時に車番が7890号となり、2両編成で2020年6月まで武庫川線で活躍した。

塗装はかつて阪神電車の急行系塗装だったクリーム色と赤色のツートンカラー。このカラーリングの車両が製造された当時、人気だったテレビドラマ『赤胴鈴之助』にちなみ、「赤胴色」と呼ばれた。7890号は「赤胴車」最後の生き残りでもあった。

車両の外装はほとんど変わっておらず、種別・行先を表示する方向幕も稼働する。日本でも珍しい小ぶりの連結器「バンドン式密着連結器」にも注目したいところだ。車内も大きな変更はないが、クーラーやコンセントを設置するなど、コミュニティスペースとしての活用に合わせた改造がなされている。周囲の景観になじむようにデザインされた屋根が設置されたため、車両が雨ざらしにされる心配も要らなくなった。

7890号に特製のヘッドマークが取り付けられた
国内でも珍しい「バンドン式密着連結器」
車内は現役当時の姿を残しつつ、テーブル等も用意している
床下が見られる工夫も施された
運転台も一部改造されたが、基本的には現役そのままの姿だ
種別・行先を表示する方向幕も動く


方向幕が回り、「区急 梅田」「快急 梅田」など懐かしの種別・行先も見られた

「赤胴車」の車内は常時開放ではなく、事前申込制となる。地域のコミュニティスペースという性格上、武庫川団地の住民による利用を基本としているが、周辺地域に関連する使い方であれば、団地外の住民も利用可能とのことだった。

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阪神「赤胴車」7890号、武庫川団地のコミュニティスペースお披露目

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