碓氷峠鉄道文化むら(群馬県安中市松井田町横川)で4日、修復が完了した蒸気機関車「SLあぷとくん」の出発式があった。廃車の危機にあったが、クラウドファンディング(CF)で修繕資金の調達に成功し、無事、復活することになった。【佐藤伸】

SLあぷとくんは、国内では珍しい英国製の2フィート蒸気機関車。1999年の開園当初から来園者を乗せて園内を周遊し、親しまれた。しかし、ボイラーを支える台座部分が高熱と経年劣化で脱落しかけるほど損傷。安全性を考慮し2年前に運行を停止した。1000万円以上の莫大な修繕費は、コロナ禍での休園や入園者数の減少でめどが立たず、廃車の危機にあった。

そこでCFで資金調達を模索。今年1月18日から3月末まで修繕資金を募ったところ、857個人・団体が賛同。これ以外に約100個人・団体からも直接寄付があり、最終的に約1372万円が集まった。4月に埼玉県の工場で修理し、6月に里帰り。石炭を入れて試験運転を行い出発式に備えた。

出発式には関係者約15人が出席した。園を運営する碓氷峠交流記念財団の中島吉久理事長が「CFでは、北海道から鹿児島まで全国の多くの人に支援してもらい目標を達成することができた。感謝します」と喜びのあいさつ。来賓の茂木英子市長も「SLあぷとくんの雄姿を見ることができてうれしい」と祝った。

テープカットのあと、出席者らは「赤城」「榛名」「妙義」の上毛三山の名前を付けた客車3両を連結したSLあぷとくんに乗車。SLあぷとくんは「復活」の汽笛を高らかに鳴らし、もくもくと煙を吐いて約800メートルの園内周遊旅行に出発した。関係者らは車窓から小雨に煙る山並みの眺めを楽しんだ。

「お帰りSLあぷとくん」などと書いた手作りのカードを手に、出発式を見守った高崎市箕郷町の青山将之さん(25)は「小さな頃から乗っている思い出の機関車。雄姿を後世に残したいとCFに1万円寄付しました」とうれしそうに話した。

SLあぷとくんは土日祝日に運行予定。22日から8月15日は休園日(7月27日)をのぞき毎日運行する。問い合わせは、碓氷峠鉄道文化むら(027・380・4163)。

#全国 #寄付 #蒸気機関車


SLあぷとくん、復活の汽笛 廃車の危機に全国から寄付 群馬

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