鉄道写真などの撮影を巡り、トラブルになる事例が後を絶たない。ルールとマナーを守り、他人に迷惑をかけないことが趣味を楽しむ大前提だ。周囲への配慮を心がけたい。

埼玉県川口市のJR西川口駅で4月下旬、「撮り鉄」と呼ばれる鉄道ファンが、臨時列車の通過を撮ろうと集まっている中で傷害事件が起きた。

撮影場所を確保しようとして、もみあっていた男が、その様子にスマートフォンのカメラを向けた男子中学生を投げ倒し、大けがを負わせたという。いい写真を撮ろうとするあまり、平常心を失ったのか。暴力は言語道断である。

「撮り鉄」は、車両や周辺の風景などの撮影を好む鉄道ファンを指す言葉だ。高性能のカメラやレンズが普及し、SNSでの情報発信が容易になったことで、近年増えているといわれる。

多くの人はマナーを順守しているが、一部の悪質な行為が問題視されてきた。

引退車両や廃止路線の最終運転となる「さよなら列車」などの記念イベントでは、ファンが押し寄せて怒号が飛び交い、混乱となるケースが少なくない。撮影のため、線路や私有地に無断で立ち入る迷惑行為も相次いでいる。

鉄道は公共交通機関である。無分別な行動は、運行に支障を来し、ホームからの転落や列車との接触事故を招きかねない。このままでは、鉄道会社はより厳しい対応を取らざるを得なくなるだろう。

東京メトロは、2018年の「さよなら列車」の運行でファンが殺到し、トラブルが起きたことをきっかけに、列車の引退の事前告知を控えるようになった。駅構内での撮影も規制している。

ファンは、行動の過熱が自らの首を絞めるのに等しいことを強く自覚すべきだ。鉄道愛好家団体の「鉄道友の会」は、「鉄道趣味の秩序」確立を訴え、会員に「撮り鉄」の模範となる行動を取るよう呼びかけている。

趣味の写真では、野鳥を間近で撮影しようと餌付けするなどのマナー違反も問題になっている。

日本野鳥の会はカメラ会社と連携し、「巣には近づかない」「珍鳥や人気の鳥の情報を公開しない」「ストロボは使用しない」などの「マナー7か条」を小冊子にまとめ、周知を図っている。

気遣いが求められるのは、祭りやスポーツなどの撮影も同様だろう。趣味は本来、人生を豊かにするためのものだ。譲り合いの心を忘れてはならない。

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趣味の撮影 マナーを守るのが大前提だ

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