山梨県が進めている富士登山鉄道構想について、富士五湖観光連盟の堀内光一郎会長(富士急行社長)は21日に開いた連盟の総会で、「推進には反対する」と明言した。連盟は2015年に、登山鉄道整備を推進する報告書をまとめていたが、堀内会長は当時と状況が変わったとした上で「構想の理念、方向性、なんのために富士登山鉄道をやるのかが不明確だ」と述べた。構想を巡っては富士吉田市なども反対しており、県と地元との溝が深まっている。【小田切敏雄】

富士吉田市であった総会には、富士五湖地方の5市町村の首長や各観光協会、観光会社代表らが出席。冒頭あいさつで堀内会長は、コロナ禍で外国人観光客が激減したことなどを踏まえ「特定の客に偏ることが危険だと実証された。幅広く多くの方々に来ていただけるのが富士山だ」と主張。富士登山鉄道について「限られた裕福な方々だけが富士山に行くことができ、富士山・富士五湖観光にとって悪い方向に向かっている」と反対する姿勢を示した。

連盟が事務局を務めた「世界遺産 富士山の環境と観光のあり方検討会報告書」(15年)では、環境保全などを考慮した交通手段として「鉄道が最も適している」としていた。堀内会長は、当時は環境負荷が少ない電気自動車(EV)の実用も具体化しておらず、今年3月にあった富士山ハザードマップの改定や、同じ月に発生した雪崩で、ふもとと5合目を結ぶ有料道路「富士スバルライン」が閉鎖されたことなど、新たな課題が生じたことも指摘した。富士吉田市の堀内茂市長も「富士登山鉄道は必要と感じていない」と従来通り構想への反対意見を述べた。

連盟事務局によると、4月の理事会で堀内会長が構想について「反対」の姿勢を示し、連盟として反対する意思を決めた。「国、県など関係機関に伝達することは当面考えていない」としているが、意見などを求められれば伝える見通し。

堀内会長の発言について長崎幸太郎知事は甲府市内で記者団に「どういう発言があったのか確認したい」と述べた。

富士登山鉄道構想

県は2019年の長崎幸太郎知事の当選後、「環境負荷の軽減」や「観光の高付加価値化」を掲げて登山鉄道の検討を本格化させた。今年2月に有識者らでつくる県の「富士山登山鉄道構想検討会」がスバルライン上で吉田口5合目までの約25キロの区間でのLRT(次世代型路面電車)敷設を想定した構想をまとめた。

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「富士登山鉄道」 地元観光連盟が反対表明 「理念不明確」

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