新型コロナウイルス感染拡大に伴う3度目の緊急事態宣言を受けて鉄道各社が実施した減便について、効果を疑問視する声が上がっている。JR東日本では通勤客が減らず混雑が起きたため、急きょ減便を中断。人の移動を抑える政府の狙いから大きく外れる結果となった。
JR東の深沢祐二社長は11日の定例記者会見で今回の減便について「混雑してご迷惑を掛けた」と述べた。
同社は連休を挟んで平日に当たる4月30日、5月6、7日に減便を計画していた。しかし、山手線の6日の乗客数は連休前の4月26日とほぼ変わらなかった。一部路線では朝の通勤時間帯に、運休した前後の列車で乗車率が180%に達する混雑が発生。翌7日は通常ダイヤに戻した。西武鉄道も6、7日に予定していた減便を取りやめた。
減便は東京都などの要請を踏まえた対応だったが、当初から「かえって『密』になる」(鉄道関係者)との声は多く、懸念が的中した。旅行控えにより6、7日に仕事を休む人が少なかったことも影響したようだ。深沢氏は「少なくとも今回において人の流れは減らなかった」と語った。
関西大学の宇都宮浄人教授(交通経済学)は減便について「(人出抑制を狙う)政治的なメッセージだ」とする一方、「減便で混雑が増せば公共交通のサービス低下につながる」と指摘した。
緊急事態宣言は31日まで延長されるが、自治体から減便要請はなく、鉄道各社は12日以降、減便はしない方針だ。
〔写真説明〕3度目の緊急事態宣言が出されて初めての月曜日の朝、出勤する人たち=4月26日、JR東京駅前

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鉄道減便、効果に疑問=通勤減らず混雑誘発—新型コロナ

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