2016年4月の熊本地震で被災し、一部区間で不通となっている南阿蘇鉄道(熊本県高森町、17・7キロ)が、全線復旧に向けて知恵を絞っている。使えなくなったレールを「熊本地震被災復旧祈念レール」として販売したり、枕木に名前を入れられる「駅ホーム枕木オーナー」を募集したりして、あの手この手で活路を探っている。【山本泰久】

南阿蘇鉄道は熊本県の第三セクターで、同県高森町と南阿蘇村の10駅をトロッコ列車などで結ぶ。熊本地震で南阿蘇村の立野—長陽駅間の峡谷にかかる橋梁(きょうりょう)やトンネルなどで線路が土砂に埋まり、亀裂が入るなどした。

地震発生から5年がたったが、現在も南阿蘇村の中松—立野間で不通が続く。全面復旧には60億〜70億円かかり、うち9割以上を国が実質的に負担するが、不通区間の収入減を補塡(ほてん)しようと、さまざまな企画を打ち出している。

17年12月からは、地震による土砂崩れで曲がったレールを再利用した「熊本地震被災復旧祈念レール」を販売。長さ約10センチに切断した鋼鉄製レールを地元産の阿蘇南郷ヒノキを使ったプレートに載せ、シリアルナンバーも入る。1個5万円(税・送料込み)と高額ながら既に約110個が売れた。

17年4月からは、各駅のホーム前にある枕木のオーナーになれる「駅ホーム枕木オーナー」の受け付けを開始。1万5000円を支払えば、枕木に名前やメッセージを刻んだプレートを設置できる。このほか駅名キーホルダーやチャリティーカレンダーなどのグッズ販売にも力を注ぐ。

南阿蘇鉄道の利用者は地震前の15年度は25万人だったが、地震後の19年度は5万人まで減少し、厳しい状況が続く。23年夏の全線復旧を目指す同社は「ラッピング列車や貸し切り列車などさまざまな企画にも取り組んでいるが、全国の皆様のお力添えが必要」と広く支援を呼びかけている。問い合わせは同社(0967・62・0058)。

#復旧 #被災 #レール


南阿蘇鉄道、全線復旧へ知恵 被災レール販売、枕木オーナー…

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