京阪電気鉄道は1月31日のダイヤ変更に合わせ、特急や快速特急「洛楽」に使用される3000系に「プレミアムカー」を連結し、運行開始した。これにより、日中時間帯に運転される原則すべての特急に「プレミアムカー」が連結されることになった。

3000系に「プレミアムカー」を連結。デビュー記念のヘッドマークを掲げて走る

3000系は2008(平成20)年、中之島線の開業とともにデビュー。従来の京阪電車のイメージとは大きく異なるデザインで、2009年に鉄道友の会ローレル賞を受賞した。車両デザインは外部デザイナーによるもので、「月」をイメージしたという車体前面の円弧型のデザインが特徴となる。

一般車両の車内は、ドア間の座席が横3列(2列+1列)の転換クロスシート、車端部(連結部側)の座席がロングシートとなっている。デビュー後は快速急行や特急などで運用され、現在は出町柳~淀屋橋間の特急のほか、平日の快速特急「洛楽」でも活躍している。

3000系(一般車両)の車内。ドア間の座席は横3列の転換クロスシート(2021年1月の見学会にて、編集部撮影)
8000系「プレミアムカー」大阪側の客室内(2021年1月の見学会にて、編集部撮影)

京阪電気鉄道は2017年8月、有料の座席指定特別車両「プレミアムカー」を導入したが、特急車両8000系に限定されたため、日中時間帯の特急であっても、必ずしも「プレミアムカー」に乗車できるという保証はなかった。

1月31日のダイヤ変更で、3000系も6号車(大阪側から3両目)に「プレミアムカー」を連結することになり、平日・土休日を問わず、日中時間帯の原則すべての特急で「プレミアムカー」の利用が可能になった。加えて朝や夕方、深夜の時間帯も「プレミアムカー」を連結した特急が増えた。

■座席と窓の配置を最適化、洗練された車内空間

筆者は2月の平日を利用し、淀屋橋駅から出町柳駅までの区間で、3000系「プレミアムカー」に2回乗車した。座席番号は「12B」と「2B」だった。

3000系「プレミアムカー」大阪側の客室内(2021年1月の見学会にて、編集部撮影)

8000系「プレミアムカー」は既存車両の改造だったが、3000系「プレミアムカー」は新造車両。8000系「プレミアムカー」を基本としつつも、いくつか改良点が存在する。

大阪側(7号車寄り)の客室内にある「12B」の座席に座ると、足もとが少し広く感じられた。8000系「プレミアムカー」の座席の前後間隔は1,020mm。これに対し、3000系「プレミアムカー」は1,040mmに拡大されており、よりゆとりを感じられる設計となっている。「プレミアムカー」自慢の重厚なリクライニングシートは3000系でも変わらず、厚みのあるシートがしっかりと体を支える。

3000系・8000系「プレミアムカー」の外装を比べると、カラーリング以外に側面の窓枠が注目に値する。8000系「プレミアムカー」では、一部の座席と窓の配置が合っておらず、車窓風景を十分に楽しめない座席が存在した。3000系「プレミアムカー」では、座席と窓の配置を最適化したため、どの座席からも同じように車窓風景を楽しめる。見た目もすっきりしたため、さらに洗練された車内空間になった。

8000系「プレミアムカー」と同様、3000系「プレミアムカー」も京都側(5号車寄り)に4席を設けている。筆者も「2B」の座席に座ったが、この4席は「乗り得」座席かもしれない。利用者の声を受けて「背もたれヒーター」を搭載したほか、肘掛からインアームテーブルが出るしかけとなっている。「背もたれヒーター」は肘掛にボタンがあり、押してしばらくすると温かさを実感できる。腰をじんわりと温め、冬の寒い日に重宝する。ボタンを押すことでオン・オフを切り替えられるため、夏の間も心配は要らない。

京都側の4席に「背もたれヒーター」を搭載。肘掛にあるボタンを押して操作する(2021年1月の見学会にて、編集部撮影)
インアームテーブルも設置している(2021年1月の見学会にて、編集部撮影)

インアームテーブル自体は近鉄特急のものと似ており、飲み物を置くには最適。背面テーブルにパソコン、インアームテーブルに飲み物を置くこともできる。パソコンを使った作業といえばコンセントが必須。3000系「プレミアムカー」も全座席にコンセントを設置している。無料Wi-Fiサービス「KEIHAN FREE Wi-Fi」も利用可能。参考までに、通信速度は6Mbpsであり、YouTubeの視聴は問題なかった。

大阪側の客室では、両端部の座席にも手が加えられた。8000系「プレミアムカー」はこの座席にひと回り小さなテーブルを設置していたが、3000系「プレミアムカー」は大型テーブルに変更。どの座席でもパソコン等での作業ができるようになった。

8000系「プレミアムカー」では、両端部の座席に小型のテーブルを設置していた(2021年1月の見学会にて、編集部撮影)
3000系「プレミアムカー」では、両端部の座席も大型テーブルに(2021年1月の見学会にて、編集部撮影)

これらの改良点に加え、車内の静寂性にも触れておきたい。8000系自体は1989(平成元)年にデビューしたこともあり、制御機器は界磁位相制御を採用している。一方、2008年デビューの3000系はIGBTによるVVVFインバータ車。そのため、走行音は明らかに3000系のほうが静かだった。

3000系「プレミアムカー」は、8000系「プレミアムカー」をさらにグレードアップしたことで、より「完成系」に近づいた印象を受ける。とは言っても、8000系「プレミアムカー」の質が相変わらず高いことは否定しない。

■変わらない温かみのあるアテンダントサービス

「プレミアムカー」で忘れてはならないのが、アテンダントによるサービスである。淀屋橋駅で「プレミアムカー」に乗車すると、1人ひとりに「お待ちしておりました」と挨拶する。そのひと言だけで非日常を実感する。

京橋駅を発車すると、冊子の案内やオリジナルグッズの販売を行う。筆者は3000系の銘板を手のひらサイズに再現した「銘板キーホルダー3851号車」(1,500円)を車内で購入した。銘板は厚みがあり、しっかりとしたつくりとなっている。

3000系「プレミアムカー」で購入できる「銘板キーホルダー3851号車」(筆者撮影)

昨今は社会情勢の変化により、車内販売などのサービスが削減されているが、やはり「プレミアムカー」のようなアテンダントサービスはうれしい。いろいろと大変なこともあるだろうが、これからも継続されることを強く希望する。なお、感染症拡大防止のため、ブランケットや携帯電話充電器の貸出しは中止しているとのこと。

8000系「プレミアムカー」からグレードアップし、「完成系」に近づいた印象の3000系「プレミアムカー」。ダイヤ変更後、「プレミアムカー」の運行本数が拡大されたことで、より利用しやすくなった。乗車券に400~500円の「プレミアムカー券」を追加するだけで、質の高いサービスを受けられる。乗車するたびに、「プレミアムカー」は本当にお得だと感じる。

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京阪3000系「プレミアムカー」8000系と比較、完成系に近づいた印象

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