新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言の再発令を受け、地域住民の「足」が苦境に追い込まれている。東京・多摩地域5市で路線バスを運行する「銀河鉄道」(東村山市)は、避けられない乗客減に対応するため、平日の運行本数を休日並みにする「減便」に踏み切った。苦渋の決断を下した山本宏昭社長(57)に思いを聞いた。(聞き手・中川慎之介)

平日のバス運行本数、休日並みに「減便」

 会社のもうけや生き残りだけを考えるなら、路線バス事業自体をとうにやめています。前回の宣言下で、乗客数は普段の3割ほどまで激減しました。解除後も7割強までしか戻っていませんでした。運行にかかる人件費や燃料費などの経費は変わらず、このままでは赤字ばかりが拡大します。

 それでも、バスで通院や通学をする人がいます。通勤に使う医療従事者もいるはずです。バスを止めたら彼らはどうなってしまうでしょう。赤字覚悟で私たちが「持ち場」を離れないのは、公共交通機関としての使命感があるからです。

 お客様に不便をおかけする減便は経営の破綻を避け、路線自体をなくさないためのぎりぎりの判断でした。平日の2路線の運行本数計115本を、休日と同じ計100本としています。

 実は年中無休で運行する路線バスはコロナ前から不採算部門です。それでも、銀河鉄道は国や自治体の補助金をもらわずに経営を維持してきました。もう一つの基幹事業の観光貸し切りバスで利益を上げてきたからです。

 しかし、コロナはこの事業にも影響を与えています。学校行事や団体旅行が激減し、前回の宣言下では観光バス需要はゼロになりました。秋頃からようやく持ち直しつつあったところに再発令で、今月上旬からキャンセル連絡が殺到しています。

市民の「足」を守る

 我が社の現状を人体に例えるなら、路線バス事業で「出血」し続け、観光バス事業による「輸血」も途絶えていると言えます。「出血」を少しでも抑え、絶命を防ぐしかない。それが、今回の減便の意味合いです。

#銀河 #休日 #バス


赤字覚悟で「持ち場」を離れない…ギリギリの判断をした東京の小さな「銀河鉄道」

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