JR東日本が高輪ゲートウェイ駅(東京都港区)周辺で進めている開発計画区域内で、日本で初めて開業した鉄道の施設「高輪築堤(ちくてい)」の遺構が見つかった。高輪築堤は東京湾の浅瀬に造られた線路の土台にあたる堤で、そこを走る蒸気機関車は「海上を走る鉄道」と呼ばれ親しまれた。JR東は「鉄道の歴史や土木技術を後世に伝える貴重な遺産」として保存を検討している。

 日本初の鉄道は1872年(明治5年)、東京・新橋と横浜を結ぶ約29キロ区間で開業した。JR東や港区教育委員会によると、高輪築堤はこの一部区間にあり、当時は海だった現在のJR田町駅付近から品川駅付近までの約2・7キロに造られた。幅約6・4メートル、高さ3〜4メートルで、線路下を船が通れるように一部が開削されていた。のり面は石組みで補強されていたという。

 今回出土した遺構は、長さ約1キロで線路は見つかっていない。旧内務省が作製した1887年(明治20年)の地図に記載されている線路の場所とも一致している。

 高輪築堤は当時の錦絵にも数多く登場し、明治初期の「東京品川海辺蒸気車鉄道之真景」には、その上を蒸気機関車が煙を吐きながら走る様子が描かれている。区教委によると、近くにあった旧兵部省(軍事を担当する機関)の敷地を避けるため、海上に造られた可能性があるという。

 港区立郷土歴史館の川上悠介学芸員は「石組みは西洋の様式を取り入れて積まれた可能性もある。当時の技術や歴史を知るうえで貴重で、ぜひ現地で保存してほしい」と話す。

 JR東によると、開発計画では築堤の上にビルなどを建てる予定。同社の伊藤喜彦・品川まちづくり部門担当部長は「現段階では、一部の現地保存や移築保存で公開展示することを検討している。区教委と協議を続ける」としている。

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「海上を走る鉄道」高輪築堤の遺構出土、東京湾浅瀬に線路の土台…上にビルなど建築予定

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