
JR東日本の深沢祐二社長は9日、読売新聞のインタビューに応じ、鉄道事業以外のビジネス強化を急ぐ方針を明らかにした。設備保守費用の削減なども進め、赤字転落の見通しとなっている利益の黒字化を目指す。
JR東は主要駅などの周辺でシェアオフィス事業を手がけており、利用可能な拠点を現在の約50か所から、2023年度頃に約1000か所に拡大する。これまでは25年度の実現を目指していた。
また、新幹線での農作物輸送やインターネット通販も強化する考えだ。
JR東は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、21年3月期連結決算は、本業の利益を示す営業利益、最終利益とも民営化後初の赤字に転落する見込みだ。中でも運輸事業は5290億円の営業赤字を見込む。
深沢社長は「来年度は乗客がコロナ前の8割強に戻る」との見通しを示したうえで、運輸事業を「確実に黒字化する」と述べた。詳細な計画は来年1月に発表する。
インタビューではこのほか、人工知能(AI)を活用するなどして設備保守費用を削減するほか、新卒採用の抑制やグループ内出向などにより、雇用は維持しながら人件費を減らしていく考えも示した。
(JR東、鉄道事業以外のビジネス強化…シェアオフィスやネット通販も)