来年2月予定 「珠玉の一本、黒字目指す」

長崎県島原市の「島原鉄道」が赤字経営を逆手に取り、11月下旬に発売した赤字しか引けない「赤字ペン」(550円)の売れ行きが好調だ。発売から10日ほどで5000本が完売し、急きょ追加販売することを決めた。同社担当者は「自虐ネタがうけたのかもしれないが、こんなに短期間に完売するとは」と異例の売れ行きに驚いている。

赤字ペンは、雲仙・普賢岳の噴火災害や少子高齢化による利用者減に伴う恒常的な赤字体質を打破すべく、島原鉄道の永井和久社長(62)が自ら考案した。3色ボールペンの形をしているが色は全て赤で、太さは0・5ミリ、0・7ミリ、1ミリと異なる。

商品には同社の赤字経営を示す折れ線グラフが記された紙も同封し、「赤字の鉄道会社だからこそ作れた珠玉の一本。黒字を目指して発売します」などとホームページでPRした。

11月21日に島鉄の主要駅の窓口や公式オンラインショップ「しまてつショップ」で販売を開始したところ、全国から注文が相次ぎ、今月2日に完売した。同社はこれまでも列車をあしらった靴下やボクサーパンツ、キーホルダーなどを作り販売してきたが、「これほどの反響は初めて」(同社)という。

オンラインショップには「黒字になるのを楽しみにしています」など励ましのコメントも多数寄せられた。新型コロナウイルスの影響で今年度の同社の売り上げは大幅に落ち込んでいるが、営業統括部の瀬川真一次長は「来年は新型コロナにも負けず、赤字ペン効果で利用者増につなげたい」と意気込む。

赤字ペンの追加販売は来年2月ごろの予定。予約はオンラインショップで受け付けている。【今野悠貴】

「ぬれ煎餅」や「まずい棒」 「銚子電鉄」も副業で鉄路守る

島原鉄道以外にも、切実な自虐ネタで厳しい経営状況をアピールし、副業で鉄路を守ってきたローカル鉄道がある。千葉県銚子市の「銚子電鉄」(竹本勝紀社長)だ。

同社の稼ぎ頭は切符ではない。「電車修理代を稼がなくちゃいけないんです」との触れ込みで、名物の「ぬれ煎餅」や“まずい”経営をモチーフに作った菓子「まずい棒」などを販売し、副業で売り上げの8割を稼いでいる。

同社は、過疎化による乗客の減少などで業績が低迷し、40年以上赤字経営が続く。追い打ちをかけるように今年は新型コロナウイルスが直撃した。同社担当者は「島鉄の取り組みは、コロナ禍で厳しい状況に置かれている全国の鉄道の励みになる」と刺激を受けていた。【今野悠貴】

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「自虐」受けた! 島原鉄道「赤字ペン」5000本完売 急きょ追加販売

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