茨城県ひたちなか市の市民団体が、同市のローカル線で40年以上無事故だった引退車両を「ご神体」とする神社の建立を目指している。市民団体によると、車両本体をまつる「鉄道神社」の建立は全国で初めての取り組み。鉄道ファンを呼び込み、コロナ禍で疲弊した地域経済の活性化も視野に入れる。市民団体は2021年春までに車両をご神体とするための整備開始を目指している。

ご神体となるのは1962年に製造されたディーゼル気動車「キハ222」。この車両は北海道の羽幌炭鉱鉄道で走り、廃線後は71年に現在のひたちなか市の第三セクター「ひたちなか海浜鉄道」の湊線で運行した。炭鉱鉄道で使われた車両は寒冷地仕様の窓が特殊で、鉄道ファンは一目見ようと全国から足を運ぶ。ファンからは「産業遺産」とも呼ばれる名車だ。

2015年の引退まで無事故だった車両をご神体とし、ひたちなか市のまちおこしに役立てようと考えたのは、鉄道関連のイベントに取り組む「三鉄ものがたり実行委員会」。車両を保有する同鉄道の協力も得た。

車両は現在、同鉄道の終点・阿字ケ浦駅の屋外に保管されている。駅は太平洋に面しているため、車両は常に潮風にさらされている。車体は塗装のはがれやさびが目立ち、ご神体とするのに塗装など再整備が必要となる。

再整備には約300万円が必要で、実行委はクラウドファンディング(CF)で整備費用など380万円を募っている。実行委の佐藤久彰代表(51)は「車両は44年間無事故だったため、長寿や交通安全のご利益がある。鉄道神社のご神体にぴったり。ぜひ協力してほしい」と話した。

実行委は18年までに神社建立を目指していたが、場所の確保が難航。ご神体を設置する場所は阿字ケ浦駅構内に決まり、費用が集まれば予定から3年遅れで車両の再整備を始められることになった。整備はひたちなか海浜鉄道が監修する。整備後は鉄道神社を建立し、参拝客を呼び込む。CFの返礼品にはお守りやお札などを用意した。

佐藤代表は「コロナ禍で打撃を受けた地元を鉄道ファンと一緒に元気にしたい」と支援を呼びかけている。CFは12月20日まで。支援は(https://readyfor.jp/projects/jinjya)で受け付ける。【長屋美乃里】

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「ご神体」は無事故の気動車 「鉄道神社」建立目指し支援呼びかけ 茨城

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