公共交通機関が来春以降、相次いで運賃を見直す。鉄道業界では、増収につながる値上げや、経費を削減する料金体系の見直しを行う。航空業界は複雑な割引料金を簡素化する。各社はコロナ禍で経営の打撃を受けており、負担増となる利用者も出てきそうだ。

JR東日本は来春から、東北、上越新幹線などのグリーン料金を3割程度値上げする。利用を促そうと2002年に値下げしたが、東海道・山陽新幹線と同じ水準に戻す。例えば、東北新幹線の東京—福島間は、3150円が4190円になる。値上げで年間数億〜十数億円の増収を見込む。

私鉄各社も値上げを検討している。東急電鉄は23年春に初乗り運賃を130円から140円に引き上げる。首都圏私鉄の値上げは、消費税率引き上げなどを除けば、各社が一斉に実施した1995年以来となる。近畿日本鉄道も値上げの意向を示している。

一方、小田急電鉄は来春から、大人運賃の半額としている小学生の運賃を区間にかかわらず、一律50円とする。子育てしやすい鉄道のイメージを打ち出し、ファミリー層を囲い込んで乗客の減少を防ぐ。

混雑を減らすために、料金制度を改める動きもある。

JR東日本と西日本、北海道の3社は、来春から新幹線(山陽を除く)の指定席料金に「最繁忙期」を新設する。これまでは、通常期と繁忙期、閑散期の3種類で、通常期よりも繁忙期は200円高く、閑散期は200円安かった。最繁忙期はお盆や年末年始などに設定し、400円高い。

JR3社が混雑に応じて料金差を設けるのは、コストの削減が狙いだ。各社は混雑を想定して、駅員や車両を増やしているが、混雑が平準化できれば、その分、手当てする人員などを減らすことができる。

JR東日本と西日本の両社は、通勤ラッシュが発生する在来線でも、定期券運賃を値上げし、混雑時以外は値下げする「時間帯別運賃」の導入も検討している。

航空は料金簡素化

鉄道と並んで業績が悪化している航空業界でも料金見直しの動きがある。日本航空は来春をめどに、現在8種類ある航空料金をわかりやすくする。「先得」や「特便」など、搭乗日よりも早く予約した方が割引される仕組みだが、「複雑すぎて理解しづらい」(幹部)との声が上がっていた。

簡素化することで、どんな料金を設定すれば、全体の収入増につながるかを分析しやすくなる。

みずほリサーチ&テクノロジーズの岡田豊・上席主任研究員は、「在宅勤務が定着し、収入減は続くとみた判断だろう。混雑を平準化させる効果は十分な検証が必要だ」と話している。

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鉄道各社、値上げの春へ…「グリーン車3割アップ」「最繁忙期は400円高」

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