JR東日本の高輪ゲートウェイ駅前で出土した、明治の鉄道線路跡「高輪築堤」の保存方針が2021年4月21日にJR東日本から公表された。

高輪築堤はJR東日本の再開発予定地から出土したが、その歴史的価値から専門家から保存を望む声が上がっていた。一部遺構の保存が決まったが、具体的にどんな価値があるのか。調査に携った専門家に改めて見解を聞いた。

橋梁と周辺遺構を現地保存

発掘により、南北約800メートルにわたって1872(明治5)年に開業した日本初の鉄道の線路跡が出土した。この場所は当時海で、海上に鉄道を敷設したその築堤や軌道の跡がこれほど大規模に見つかったのは初めてだった。

遺跡のうち、出土した箇所でそのまま保存されるのは「3街区」で出土した「第7橋梁」と呼ばれる橋梁跡とのその周辺部、また「2街区」で出土した築堤跡も現地で保存される。

第7橋梁は特に価値の高い遺構だ。発掘調査にあたった港区郷土歴史館の川上悠介さんは、J-CASTニュースの22日の取材に応じ、明治期に輸入された西洋の土木技術と江戸時代までの技術を組み合わせて築堤に橋を架けることができた、と説明する。いわば和洋折衷の建築技法で建設された近代化遺産だ。

また鉄道が通るまでは海岸線はさらに西側にあり、従来の陸側から東京湾に出入りする漁船を通すために橋梁構造とした。そのような、当時の東京の生活文化を伝える点でも貴重な遺跡だと川上さんは解説した。JR東日本が公開した保存完了後のイメージでは、第7橋梁周辺の保存部は水路をつくり、建設当時の風景をある程度感じられるようなものになる。

最古の信号機土台も保存

21年4月上旬には、日本最古の鉄道信号機の土台跡が出土した。高輪ゲートウェイ駅の駅舎正面にあたる「4街区」で築堤上に信号機を設置した土台の石積み部分が発見されたのである。信号機本体は残っていないが、こちらも最古の鉄道線路に設置された、日本最古の信号機の跡と考えられると川上さんは話す。JR東日本の計画ではこちらは国道15号線沿いの広場に移設され、信号機のレプリカとともに公開される。

南北800メートルにわたって出土した築堤のうち、保存部は第7橋梁周辺の約80メートルと第2街区出土築堤の約20メートル、信号機跡周辺の約40メートルとなる計画だ。築堤出土を踏まえ、JR東日本は当地で進めている再開発計画「品川再開発プロジェクト」においても、高輪築堤の価値を次世代に継承できる要素を加えるとしている。

#遺産 #JR東日本 #高輪ゲートウェイ


鉄道遺産「高輪築堤」の価値とは? JRが「一部保存」に踏み切った背景、専門家に聞いた

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