鉄道業界が、使用する電力を再生可能エネルギーに切り替えるなど「脱炭素」の動きを加速させている。自動車などに比べ二酸化炭素(CO2)排出量が少ないことをアピールし、鉄道利用を促したい考えだ。

西武鉄道は今月、多摩湖駅(東京都東村山市)と西武球場前駅(埼玉県所沢市)を結ぶ山口線(約2・8キロ・メートル)を、太陽光発電の電力による運行に切り替えた。西武グループの遊休地を活用した太陽光発電所から調達し、同線のCO2排出量を実質ゼロにする。

東急電鉄も2019年から、水力・地熱発電の電力で世田谷線の約5キロ・メートルを運行している。

環境省によると、自動車や航空、海運などを含む「運輸」部門の19年度のCO2排出量は、日本全体の排出量の20%を占め、「産業」(37%)に次いで多い。鉄道業界は全体の1%未満だが、「全ての産業が脱炭素を進める必要がある」(伊藤忠総研・深尾 #三四郎 上席主任研究員)ため、鉄道各社は脱炭素を経営課題として掲げている。

新たな車両の開発も進む。JR東日本はトヨタ自動車などと共同で、水素を使った燃料電池車両を開発中だ。21年度末をめどに実証実験を行う。JR東は現在、鉄道事業で使う電力の4割を自社の火力発電所でまかなっている。今後は、水素発電への転換も視野に入れる。30年度までに鉄道で使う電力の2割を再エネ由来にする方針という。

トラック輸送から環境負荷の低い鉄道貨物に切り替える動きも広がりつつある。

JR貨物は先月、物流大手の福山通運と西濃運輸の荷物を運ぶ専用の貨物列車を追加投入した。宅配便などをコンテナに積み込み、トラックに代わって長距離輸送を担う。両社は、ドライバー不足や脱炭素などで利用拡大を決めた。

鉄道貨物が国内輸送に占める割合は、重量と距離による指標で約5%にとどまる。JR貨物の真貝康一社長は「(同じ重さと距離を運ぶ場合)CO2排出量はトラックの11分の1で、鉄道に切り替える動きは強まっている」と強調する。

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「脱炭素」鉄道が引っ張る…再エネ電力に切り替え、貨物輸送を強化

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